中堅企業のためのグローバル化最適解を考察するブログ

中堅日本企業のグローバル展開をどう進めるのがベストか? 海外勤務22年のノマドビジネスパーソンが、同じ立場で悪戦苦闘されている方々の参考にしていただけそうな経験に基づく情報を発信してまいります。

参考にできる事例がほとんど無いという実情

 中小企業のグローバル化に長らく取り組んでいる中で常日頃感じるのは、巷には企業のグローバル化に関する書物や文献がたくさん溢れているものの、中小企業にそのまま導入できる手法やノウハウはは非常に少ないということです。 正確に言えば、形だけ導入することが出来ても、現実的には継続不可能であり(人材やコスト上の理由で)、成果に結びつく前に息切れしてしまう、「大企業だからできるんであって、ウチでは無理だ」という事例がほとんどです。


 例えば、グローバル化に成功した日本企業としてよくケーススタディの材料にJT(日本たばこ産業)が取り上げられています。 長年人材育成に取り組み、M&Aでトライアンドエラーを重ねてノウハウを蓄積し、買収先との人事交流を積極的に行ったりと、当に教科書にできるような、日本が世界に誇れる素晴らしい企業だと思います。 しかし、中小企業においてはまずはじめの段階、人材獲得や人材育成の段階で躓いてしまっているのがほとんどではないでしょうか? いや、これは中小企業だけではなく、内需依存型でバブル崩壊以降売上の低迷して、世界に打ってでなければ行けない立場に追い込まれている多くの大企業でも同じです。 
「世界に打って出るにしても、そういうことをできる人材が社内にはいない」 
「どうやって育成すれば良いのか? どのくらい期間がかかるのか?」
「そもそも、海外に出たくないという社員ばかりだ」
「人材育成はもちろん必要だが、それを待っていられない。 時間を稼ぐため、人材を外部調達しようとしても、そういう人材がなかなか見つからない」
いや、本当にそうなんです。 私が勤めて来た企業も、全てこういう悩みを持っている中で、それでも生き残りをかけて海外展開していかなければならないという立場にありました。 今もそうです。 よく、「制約条件に縛られず、発想の幅を広げよ」とか言われますが、中小企業のグローバル化ははっきり言って制約条件しか無いようなものです。 


 結局、20年近くこの課題に取り組んできた私の結論は、消去法で「もうこれしかない」というところに集約されて来ています。 消極的かもしれませんが、無理な賭けをして会社がなくなってしまっては元も子もありません。 それでは、「もうこれしかない」というのはどういう方法か、次回から詳しく述べていきます。


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